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audio-technica AT-HA5000・・・アンプの評価は難しい

ヘッドフォンアンプ オーディオテクニカ AT-HA5000

音楽を聴く最小システムで最大の効果を得るものは何か?
ヘッドフォンです。
音というもの人間の耳で聴くためにはどうしてもアナログ変換しなくてはいけません。そして空気を振動させなくてはいけません。
これが難しいのです。
ヘッドフォンで聴く音楽の何がいいのか?
ヘッドフォンで感じた高音質をスピーカーで構築するとコスト的にはゼロが2桁跳ね上がる。
設置面積は1/20ですむ。
どこに座っても同じ音。
誰にも迷惑かけない、誰からも干渉されない。
スピーカーは一度買うと買い換えは不可能であるが、ヘッドフォンは気楽に変えられる。
欠点はなにかというと
圧倒的なパワーの違い。
これは空気の振動で音を伝えるパワーのあるスピーカーとアンプのワッテージの違いです。
ヘッドフフォンはスピーカーに比べるとパワーにして1/1000程度です。
これは単に音圧ではなく、これこそまさに空気感、臨場感の違いです。
ずっと聴くと疲れるし、耳が痛くなったり難聴になるかもしれない。
音楽を分かち合えない。
高級ヘッドフォンは10万円代、しかし、スピーカーとなるとゼロが一つ違います。
アンプにしてもしかりです。
ヘッドフォンですと一般的なお父さんでも子供や奥さんの小言に悩まずに粒のそろったいい音を聴く事が出来ます。
なぜか分からないけども、ネットにはヘッドフォン変える前にヘッドフォンアンプを買えというサイトがあります。
ヘッドフォンアンプは音質を劇的に変えるものではありません。単なる増幅器です。
ただ、ハイインピーダンスのヘッドフォンはアンプがないと鳴らす事が出来ないものがあります。
価格対音質でいうとヘッドフォンアンプに投資するよりヘッドフォンに投資したほうが音の違いはハッキリと認識出来ます。
ヘッドフォンアンプに求めるものは何かというとなるべく音に色付けされてないものです。
ヘッドフォンアンプで音を作るのではなくヘッドフォンで音の違いを分からせてくれるアンプです。
よってどんな音源でもストレートにどんなにハイインピーダンスなヘッドフォンでも聴く事の出来るヘッドフォンアンプがいいということです。
後は、ヘッドフォンで音質の違いを聴き分け、自分の好きな音楽を好きな音の味付けで聴く事の出来るヘッドフォンに巡り会えればラッキーということになります。
AT-HA5000の再生周波数は5Hz〜200kHzです。
ハイレゾ対応はせいぜい10〜100kHzまでです。
ヘッドフォンアンプでは最適と思われるひずみの少ないA級アンプで1200mW(32Ω)鼓膜が破れるどころか脳みそが沸騰するパワーです。
なるべくRCAケーブルで運ばれた信号をあますことなく増幅してくれるアンプではないかと思われます。
ネットでのレビューを見るとスピード感あふれる音というレビューがありますが、これは出力にMOS-FETというトランジスタが使われているための感想だと思いますが、当然ですがスピード感あふれる音と言う表現は人間の耳が音速を超えて光速に達する電気信号に追従する事が出来るエスパーにのみ感じる事の出来る音だと思いますし、同じ四分音符の「ド」の音でスピード感ある四分音符の「ド」の音とは一体どんな音だろうかと考えると、空想の産物以外なにものでもない音の評価ですので、こういう抽象的な音のレビューは信じない方がいいです。
このヘッドフォンアンプは色々と凝った作りになっていると思います。ハイエンドオーディオの片鱗を垣間みることが出来ます。
電気をかじったことのある人はよくわかると思いますが、選定の間違ったトランジスタなどは扇風機の風を当てると電圧がバラツキます。
出来の悪い基盤をトントンと叩くと電圧がバラツキます。
電源コードを買わせる謳い文句に振動に強いケーブルを採用とありますが、これは根拠のない文言ですので信用してはいけません。
ほとんどがコネクターや接続箇所の不良によるものです。
そうでないと台風のとき揺れる架空電線は使い物にならないことになります。
このAT-HA5000の裏には抑振シートが貼ってあります。
これはトランスの振動(50Hzや60Hz)を和らげるものだと思いますが、直接的に人間の耳には感じ取ることが出来ない音の変化を及ぼす測定器を用いても測定する事の出来ない電圧の乱れを防止させるための配慮だと思います。
こういう所なんですね・・・オーディオの奥ゆかしい心遣いといか設計者の意気込みというものは。
そんなことしないでそのぶん価格を抑えろよ。と思うこともありますが、こういう職人気質は好きだと思います。
音質劣化と考えられるものの排除はそれが科学的証明されていようがいまいが徹底的に排除する。やり残した事がないように頑張る。
この頑張るがオーディオの世界の共通言語です。
で、このAT-HA5000というヘッドフォンアンプ。3年程前に買ったアンプですから最新のアンプではありません。
高価なアンプです。
レビューの中には、特にアンプを自作するオーディオマニアの方々は口を揃えて高いといいます。
恐らく使われている部品を見てそう思うのでしょう。
しかし、物を作るということを考えてみます。
白紙の状態から音のイメージを決めて、それを具体化するための部品選び、部品の配列、音を出し、音をチェックし調整を重ねて製品とする。
そこにマーケティング経費、利益、これらのコストを合わせて値段が決まります。
出来た物をみてあーだこーだ言うのは白紙から物を作った事のない人でしょう。

で、僕の聴いた感じを述べます。
今持っているヘッドフォンの特性に準じた音を出してくれます。
過不足なく、余裕を持って、です。
しかし、解像度や高音、低音の出かたなどをアンプ単体の評価で行うのは不可能で、スピーカーは?どのヘッドフォン、あるいはイヤフォンで聴いたか、音源はなんなのかで決まります。
これがアンプの評価の難しいところですので、いたずらにアンプの出す音の評価をレビュー通りに信じることは出来ません。
良く音場が狭い、音が前面に出ているというレビューを聞きますが、音場が狭いと音が前面に出ているという表現は全く同じ事を言葉を変えて表現したに過ぎません。
また女性のボーカルに適していると・・一方では低音も十分に出ていると。
帯域を考えるとなんの事なのかさっぱりわかりません。
音の定位が安定した。音にパワーと安定感が増した。
音の定位とは何か?「ド」という音階を長時間鳴らして波形を測定したときに一寸の狂いのない「ド」を永遠に鳴らしていた。ということでしょうか?
流れる音階でそれを聞き取ることの出来る方は人間ではありません。測定器です。
そんなの音楽ではありませんし、譜面に書き表す事もアコースティック楽器でそんなこと出来る楽器はありません。
音という抽象的なものを言葉として表現すると最終的には発した本人がその言葉に単に酔いしれているだけという独善的で、自己満足に満ちた、しまいには自分だけの哲学的な表現となり最終的に何を言っているのかわからない評価になります。
楽譜の標記に音楽を演奏するにあたって色々な記号があります。
例えばマルテラート、槌で打つように強く演奏するという意味です。作曲者は自分の作った曲のイメージを正確に演奏してもらうように色々と符号や記号で演奏の仕方を楽譜に明記しているのです。
分かりやすい音のレビューというものはこのアンプでこのヘッドフォンで聴いた曲は譜面にあるレガートがよく再現されているようだ。
これで十分です。
アンプの評価というのはアンプの評価をしているのではありません、単にヘッドフォンやスピーカーの評価をしているに過ぎないのです。
言い換えればこのアンプは最低だ、最高だと評価されるアンプはヘッドフォンの特性を正しく再生している優秀なアンプと考えることが出来ます。
アンプ単体で信じるのはメーカー公表のスペックのみと考えたほうが無難です。
ましてや、電源ケーブルを変えると・・・というレビューは信じてはいけません。
よく「す」や「ず」「さ」「ざ」などのキンキン音がケーブル交換でなくなったということを聞きますが、全くの錯覚です。
これもどのヘッドフォン、イヤフォンで聴いたのかです。
このヘッドフォンアンプはヘッドフォンを選ぶアンプであるという評価もありますが、これは本末転倒な言い方です。
ヘッドフォンを選ぶアンプなのではなくヘッドフォンの特性を余す事なく聴かせてくれるアンプであるということです。
同じようにこのヘッドフォンアンプに合うヘッドフォンはこれだ。これも違います。単に今繋いだヘッドフォンがあなたの嗜好に合っているだけです。
数種類のヘッドフォンやイヤホンでこのアンプを通して音を聴くとそのすべてが違って聞こえます。
またボリュームを上げても音楽以外の無信号状態での「しゃー」ノイズ音がしない。
ヘッドフォンに色付けされた音を再生させてくれるアンプであるのは間違いないです。
オーディオは科学や物理で裏打ちされたというより人の感覚で評価されるというオカルトの世界です。
僕の好きなカメラや写真の世界とは全く違います。
audio-technica AT-HA5000 Raffinato
黒檀がフロントパネルです。木目が振動を打ち消すという目的があるようですが、もちろんなんHzの振動をなんdb減衰したかという数値的な表示はありません。
audio-technica AT-HA5000 Raffinato
audio-technica AT-HA5000 Raffinato
audio-technica AT-HA5000 Raffinato
抑振シートの張りつけ
audio-technica AT-HA5000 Raffinato
ボリュームつまみはアルミ製です。
30Ω程度のヘッドフォンですとレンジの1/4程度でギンギンに鳴ります。
audio-technica AT-HA5000 Raffinato
プッシュオン、プッシュオフのスイッチです。
オンにすると奥深い金属音がします。オーディオ機器のスイッチにある定番の音です。
audio-technica AT-HA5000 Raffinato
ジャックのデザインは電源スイッチと共通のフレームです。仕様によるとノイトリック製のジャックとありますが、ここでも言われるのです。ノイトリック製は音がいいと・・・。しっかりしているかしていないかの違いで、しっかりしているから音がいいというのはこれまた根拠がないことです。
メーカーはしっかりしていないジャックを製品に取り付ける事はありません。強いて言えば寿命が長いと言った方が正解です。
audio-technica AT-HA5000 Raffinato
インシュレーターです。
真鍮製の足と加水分解しそうな緩衝材のハイブリッドインシュレーターですが、先日のゾノトーンの電源ケーブルにおけるハイブリッド標記よりこちらの標記の方が使い方は正しいです。
audio-technica AT-HA5000 Raffinato
このアンプは今持っているヘッドフォンの実力がどんなものか教えてくれると思います。
で、KORG DS-DAC-100の音を聴こうと思います。