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模型・DIY・趣味全般のブログ

KORG DS-DAC-100

DSD再生対応USB-DACから始める極小オーディオ

音楽をどのような状態で聴くのか。
庶民に聞いてみた。
リビングの腰が痛くなる椅子に座ると外から原付バイクがビーンという音を引きずりながら走る音や、宅急便のトラックの扉を開ける音までが家の中に入ってくる。
当然、外で子供達が走る足音も聞こえると思えば、近所のおばちゃんの話し声が・・・。
すぐ近くでワンコが爪を鳴らしながらペタペタと歩き回り、キッチンから水がジャージャー流れる音や食器のカチャカチャ音、階段をドタドタ歩く音、最近買ったダイソンのサイクロン掃除機のキィーンという音、いきなりTVから爆笑問題が出てきたり、キッチンから訳の分からんポップスがゴミのような音で聞こえたりする。
そんなところで目頭熱くしながら音楽が聴けますか?
ノーであります。
金満家に聞いてみた。
リビングにアンプとフロアスピーカーをでんと置いて、音場の中央に座り静かに目を閉じる。
椅子もズズンと沈む高級ソファーである。
フロアスピーカーから空気の振動とともにドラムがドンと鳴り響く。
ベースがリズムをとりギターは鼓膜のすぐ近くだ。
リモコンでボリュームを上げるとアンプの青いLEDランプが点滅し部屋全体が音に包まれる。
日曜日の朝10時はこうのようにしてアドレナリン全開ですぎて行く。

こういうことが出来る人は数千人の中の一人です。
で、こういうことが出来るお友達がいて、聴きたい音(聴きたいCDとは言わない)持ってきてと言われて、レンタルでダビングしたお気に入りのCDを持って行くと、「こういう光ディスク入れるとモーターが変調起こすんだよな、ほらよく見てごらん、この光ディスクは少し歪んでるだろ・・。音質劣化だから市販の安物のメディア使わないほうがいいよ。」と訳の分からない事言われるのですが、お金の力は恐ろしいもので、ただ、この人お金持ってるというだけで博識、造詣深い、などと暗示にかかってしまい、言葉の一つ一つをメモってしまったりする。
「いいかい、CDは高速で回転してるんだよ。メディアが歪んでいるとそこで渦巻き型の風が発生し、基盤を揺らしそれが音の定位を揺らげてしまうんだよ。」
いいから早く鳴らせよと思うのだが、いっこうに音楽が鳴らない。
なんだ、その歪んだCDを平らにしているのか・・・。
違う、セッティングしているのだ。エージングであるらしい。

で、30分後デーンと音が出てくるのですが、ボーッとしていると、「君の想像を絶する音かもしれないね」と言われたりして、あぁ、噛み合ない、あるいは、分かち合えないというのはこういうことなのかと思う。
つまり、人間、悲しいかな同じ趣味を持っていても、到達するレベルにおいてどうしてもかなわないことがあるのです。
諦めるのか?
ノーであります。
技術や市場は最終的に庶民の味方です。
今は、太い、でかい、重い、高価な重厚長大なオーディオより軽薄短小なオーディオで最良な音を求めるのが旬なのです。
ソニーiPodに対応すべくハイレゾというCDを超えたハイサンプリング、高ビット音源の再生機を積極的に展開しています。
今後、DAPハイレゾ再生可能ということに社運をかけているような勢いです。
で、以前よりどうだろうと思っていたことにPCオーディオという世界があります。
PCオーディオ。サウンドブラスターで凝った方もいるかと思いますが、音楽はネット配信が当たり前という時代背景からパソコンとオーディオが急接近です。
記録容量を気にする事なく原音をそのまま保存。それを聴けばいい。
これ、安上がりで簡単です。
パソコンにUSBでDACというデジタル、アナログ変換機を繋いでアンプに出力、あるいは直接ヘッドフォンで聴く。
しかも、データはCD音質44.1kHz/16bitの上を行く96kHz/24bitや192kHz/24bitのCDの4倍にも及ぶハイサンプリング周波数・256倍にも及ぶ高量子化ビット数、人間に聞こえる以上の高解像度の音楽データです。
聞こえないのら不要でしょ。不要です。でも、LIVEに行くと空間には20kHz以上の音が満ち満ちています。
だからLIVEは感動する。というのがハイレゾの謳い文句。このリアルなLIVEの空気感の再現、ボーカルの息遣い、ギターのピッキングの際のピックが弦をたたく音の再現、古くからのオーディオマニアが大金をつぎ込んだ世界ではないでしょうか?
こういう音楽データがダウンロード出来るようになったばかりか、ブルーレイオーディオからのハイレゾ音源をリッピングすることも可能です。
ソースはすべてパソコンで操作可能。もうディスクという名のメディアは不要で、CD作成前のマスター音源にちかいものを入手することが出来ます。
これでCDデッキが不要、ケーブル不要、レコードにこだわる人は別として重量級のレコードプレイヤーなんてのも不要。
ということでずっと気になっていたUSB-DACを買いました。

KORG DS-DAC-100

このDACハイレゾ音源の他にDSDファイルを何のファイル変換もせずに再生することが出来ます。
スタジオで録音した音をプレイバック的に再生出来てしまいます。サンプリング周波数は2.8MHz〜5.6MHzの1bit。ここらへんの難しいうんちくは1bitオーディオで検索すれば色々出てきますが、簡単に言うと音を録音して再生するために6回も変換処理していたのが、3回で済む。というもので、マスター音源により近いという音楽ファイルです。
じゃあ、いつも聴く音楽がDSDファイルで供給されているのか?
されていません。つまり、猫に小判豚に真珠です。
でも、KORGのDS-DAC-100は今手元にあるCDのWAVファイルをDSDやPCMハイレゾにアップコンバートして再生してくれます。
それはソフト的な小手先ではありますが、今までとは違っているのはもとのWAVファイルを変換して保存したものを再生するというのではなくてリアルタイムにアップコンバートしながら再生します。
そういう時代になったのかと思いました。しかもこの値段で。
という勢いで買ったのですが、実はDS-DAC-100の前にDS-DAC-10という先行機種がありました。
アップコンバートにはかなり懐疑的ではあったので躊躇していました。
しかし、Photoshopで低解像度の画像を同じようにアップコンバートすると高解像度の画像に見えるのです。
同じパソコンの処理、音と画像という違いはあれど一度試してみるかと思いました。
映像の高解像化が進むなかで音に関しては目に見えない抽象的なものであるために、あるいは高解像な音を再生するのは映像より遥かにコストがかかることから、逆にコンパクト化し、かつ、いい音に聴こえるように味付けするという処理が一般化され、そういう音を聴き続けているとLIVEに行き生音を聴いたときに驚きのあまりとち狂ってしまうのです。
しかし、最近、高容量のブルーレイが一般化すると映像と同じく音楽も高解像化されてきました。
今までネットからはmp3などの音源で我慢していたのが、ハイレゾ音源が普通に手に入るようになりました。
過去のCD音質もソフト的にアップコンバートして疑似ハイレゾ化してくれるということはまさにPhotoshopの画像処理。
楽しそうではないでしょうか?
で、この人の目のような形をしたのがDS-DAC-100です。先代のDAC-10がオーソドックスは弁当箱タイプでしたから外見は全くの別物です。
でも、スペックはほぼ同じ。しかし、基盤関係は先代を一皮ブラッシュアップされているかもしれません。そう願いたいです。
KORG DS-DAC-100
背面にはXLR(バランス)出力が追加されています。
電源は残念な事に非力なUSBバスパワー。
非常に残念です。
KORG DS-DAC-100
電源が貧弱にもかかわらずこういうところは一人前にハイエンドオーディオっぽいです。
インシュレーターは真鍮削り出しのスパイクです。
KORG DS-DAC-100
P1240011
KORG DS-DAC-100
この中央でスパイクを受け振動をインシュレートします。
これも真鍮製の削りだしです。
KORG DS-DAC-100
KORG DS-DAC-100
KORG DS-DAC-100
筐体はアルミ製。塗装はつや消しの焼き付け塗装。
残念なのは電源のみ。どうしてオプションでもいいから100V電源から電力取らないようにしたのだろう。
一人前のインシュレーター、アルミのボディー、表示は小さなLED、バランス出力、でも電源はバスパワー?
この仕様からしDAC付きのヘッドフォンアンプにはならないだろうと思われます。
で、ノートパソコンに繋いでみて色々と障害に合いました・・・に続くです。