言葉
あわただしく、玄関をあける音が聞えて、私はその音で、眼をさましましたが、それは泥酔の夫の、深夜の帰宅にきまっているのでございますから、そのまま黙って寝ていました。 「なぜ、はじめからこうしなかったのでしょうね。とっても私は幸福よ」 「女には…
報告 あなたのきらひな東京へ 山からこんどきてみると 生れ故郷の東京が 文化のがらくたに埋もれて 足のふみ場もないやうです。 ひと皮かぶせたアスフアルトに 無用のタキシが充満して 人は南にゆかうとすると 結局北にゆかされます。 空には爆音、 地にはラ…