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Intense Tracer Vp のベアリングは理解しないといけないものでした

一度気になると止まらない。
インテンス スロープスタイルのベアリングを交換しましたが、Tracer VPはどうなのかと申しますと、やはりセカンドジェネレーション。ちょっと違っていました。

まずはベアリングの型番
メインピボットは7001ZRS MAX(7001Z) 幅:8mm、外径:28mm、内径:12mm 大きさは6001番と同じです。


サスペンション側は6901LLU 幅:6mm、外径:24mm、内径:12mm

で、7000番台のベアリングはアンギュラ玉軸受けといって普通は機械の中に入っているもので、露出した場所で使うようなことはないそうです。
肝心のグリス交換ですが、Tracer VPから新しく付いたグリスニップルからグリスを注入しようとしてもグリスが入っていかないのです。

フィニッシュラインのグリスガンはあまり圧をかけると後ろから漏れてしまうのでフィニッシュラインのものより強力なグリスガン使用しましたがダメでした。
はたと考えてしまいました。アンギュラベアリングの使用例としてグリスニップルから給油する例がありました。このベアリングは反対側は当然ですがシールドされていません。

しかし、給油するためには外側のシールド材が邪魔をしてグリスアップできません。
グリスアップできない理由は三つ

    1. グリスがすでに一杯入っている。
    2. グリスニップルが壊れている。
    3. グリスが硬すぎる。

2番目は考えたくないのですが、もし、壊れているのでしたら6001LLUに交換すればいいだけです。
では3番目ですが、今現在入っているグリスが排出されないのです。グリスが硬すぎるということはないと思います。
もっと強いグリスガンで注入する必要があるのか、それともグリスが消耗されて少なくならないとグリスが入っていかないのかも知れません。
ここらへんはベアリングを抜けば分かるのですがトレーサーに合う交換用のアンギュラーベアリング、実は日本製ではないのです。
どうしてもというのであればReal World Cyclingからエンデューロー製ベアリングを取り寄せないといけません。


ベアリングには色々種類がありますが、Trcaer VPに使われているベアリングは2種類です。
ベアリングのテクニカルデーター見るとちんぷんかんぷんなので一切無視。
ユーザーに必要なメンテナンス情報のみピックアップしました。

    • 深溝玉軸受LLUタイプ これはすでに克服しました。
      • 定期的なグリスアップ可能。
      • 玉の交換可能。
      • シール材の交換可能。

シールのタイプはZだと鋼板製、LやDだと鋼板にゴムコーティングしたシール材を使っていることになります。
シールタイプは片方のみ、両方シールしているタイプがあります。

      • 6001Z:片方のみシールしている
      • 6001ZZ:両側シールしている

シール形式は接触型と非接触型があってUが接触型、BもしくはVVは非接触型になります。ZZは鋼板製ですので非接触型となります。

      • 6001LLU(DDU):ゴムコーティングした接触
      • 6001LLB(VV):ゴムコーティングした非接触




インテンスで使われている6001LLUは深溝玉軸受けで両方にゴムコーティングのシール材があってシール溝とシールが接触しているタイプのベアリングであります。
LLUもしくはDDUタイプはシール材で密閉されているので防塵、防水性能がLLBやZZ型に比べて高いということです。
接触型はまさに泥や埃で環境の悪いBB付近のベアリングに適しています。
ただし、NTNとNSKは構造は同じですがエンデューロー製は鋼板製のリテナー(保持器)がありません。
鋼板製のリテナーの使用は一般的であるそうですが、リテナーの分、玉数は少なくなるということです。
ただですね、自転車用ってリテナーのついたものって少ないのです。例えばハブのベアリングなどはリテナーなど付いておらず玉数を多く取っているのです。
また玉はギュウギュウに詰め込まれておらず約1個分の隙間があると。その分グリース管理は慎重に行う必要があるらしいですね。
私はよく調べもせずリテナーがないのでダメだと思っておりましたが、大きな間違いであるようです。
むしろモーターのような高速回転でなく高負荷が短時間でかかる部位のベアリングは玉数が多いほうが良いということです。
では、NTNやNSKのベアリングは自転車用として適さないのか。でありますが、そんなことありません。オートバイはNTNやNSKのリテナー付きのベアリング使っています。
ただし、このリテナーは取り外し可能で、リテナーを取り外して玉の数を増すことも可能です。
NSKのカタログを見ているとこの6000番台の深溝玉軸受けは軸に対して上下荷重のラジアル荷重と軸に対して左右水平方向のアキシアル荷重に対応しているそうです。
サスペンションのピボットですからラジアル荷重は必項条件となります。

インテンスのセカンドジェネレーションのVPP用のベアリング
    • アンギュラ玉軸受

Tracer VPのメインピボットに使われているベアリングは7001ZRS MAXベアリングです。
どいう意味かというと、アンギュラタイプの単列ベアリングで片方のみ鋼板製のシールド材が付いているタイプです。
NSKではRが付くとシールド止めはリングで止める形になりますが、エンデューロー製はリングが付いておりません。日本製でいうとZタイプになります。
これはシール材の交換が出来ないのです。出来るかもしれません、でも一般ユーザーは出来ません。
なぜセカンドジェネレーションのVPP のベアリングが深溝玉軸受けタイプからアンギュラタイプに変更になり、LLU より防塵・防水に劣り錆びが発生するZタイプに変わったのかわかりません。
SlopeStyleは6001LLUなので別にトレーサーも6001LLUでもいいのではないかと思っています。
で、アンギュラ玉軸受は深溝玉軸受タイプより上下荷重のラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重がより強いタイプであるそうです。



しかし、アンギュラベアリングは普通は背面組み合わせや正面組み合わせで使用して両方向のアキシアル荷重またはより大きな一方向のアキシアル荷重に対応する組み合わせ方をしています。
VPPの場合隙間はBBの幅ありますが左と右で背面組み合わせになっていますので、一応両方向のアキシアル荷重に耐えることが出来ると言えないこともないです。
残念ですが、日本製では単列のシールタイプの7001番のアンギュラベアリングはありません。
NTNの場合複列式のアンギュラベアリングになります。

しかし、幅:8mm、外径:28mm、内径:12mmではありません。NTN製のアンギュラーベアリングは候補から外れました。
NSKは単列のシール付きアンギュラ玉軸受はありますが、VPPに合うサイズがありません。NSKも候補から外れます。
ナチ(不二越)ベアリングはシールタイプの7001番アンギュラ玉軸受ありますが幅が18mmで使えません。
つまりおもだった日本製のアンギュラ玉軸受はセカンドジェネレーションのVPPには使えないということになります。
しかたないので下手にベアリングの交換を考えずにこのまま使っていく。もし、錆びたり泥が入ってベアリングがゴリゴリしだしたらエンデューロー製に交換する。
もしくは、6001LUタイプのベアリングに変更して、定期的にシール材を外してグリスニップルからグリス補給をしながらグリス交換を行う。
です。
余談ですが、エンデューローの7001のベアリング、シール材はZタイプのシールドのほかにゴムコーティングタイプのシールタイプがあってこれは日本で言うところのLUタイプになります。
エンデューローのアンギュラベアリングZタイプには保持器はついておりません。6001と同じ玉数は13個です。
が、ゴムコーティングのシールタイプは保持器が付いています。まあ、理由はよくわかりません。どっちでもいいんでしょうね。

ここで、深溝玉軸受とアンギュラ玉軸受けの比較をしますと



スロープスタイルやM5、M6で大丈夫であるからにして、つまり、6001LUタイプでOKなんです。
スロープスタイルにつけたNTNの6001LLUでよければトレーサーも玉の交換やシール材の交換が容易な6001LUタイプに変更したいです。
ベアリングのグリス交換はベアリングを回しながら交換するそうですから、どのちみちVPPのリンクはばらさないといけないみたいですし。