Manitou Nixon マニトウ ニクソンのフロントフォークのオーバーホール ダンピング側組立て開始
TPC+部分の組立てから。
考えてみると、このフォーク分解した時はアウターレッグの下からセミバスオイルが殆ど出てきませんでした。抜けていたのかな?
セミバスオイルが抜けていたり、エアピストンのライダーリングにバリが出ていたり、コイルスプリングのチューブが切れていたりして、このサスペンションは分解して良かったのです。
コンプレッションが効かなかったのはセミバスオイルのせいではありませんし、バリだとかチューブが切れていたせいでもありません。ダンピング部分を分解しても異常はなかったため、やはりオイルの番手か量の問題だと思います。これでまだダンピングの効きが悪ければオイルの番手を変えるのではなくて、量を多くしてみます。
ダンピングのほうから組み立てます。
ダンパーのチャンバーをワークスタンドにクランプします。
リバウンド用のピストンバルブ周りにグリースを薄く塗れと書いてありますので塗ります。
グリースを塗ったリバウンドバルブはマニュアルではチャンバーの下から入れてくれとありますが、このオイルシールの入ったボルトが外れません。このボルトが外れた場合、締め付けトルク:5.65N/m(565N/cm、57.63kgf/cm、50.02in/lbs)です。
ボルトが外れないので、仕方なくチャンバーの上から入れます。
チャンバーの下側のオイルシールにグリース極薄く塗ってリバウンドシャフトを通します。この時にオイルシールに傷を付けるおそれがありますので慎重に通します。ここはやはりチャンバーのオイルシールの入ったボルトを外すほうがいいと思います。そのためにはチャンバーを傷つけない程度にクランプしておかないといけませんが、少々のクランプではこのボルトが外れません。
そしてリバウンドシャフトのエンドキャップを綺麗に中性洗剤で洗って歯ブラシでねじ山をブラッシングします。
Oリングにグリースを塗ります。グリースはOリングのみにしておきます。
ねじ込み部のねじ山にはネジロック剤を薄く塗っておきます。
リバウンドシャフトにエンドキャップを締めこみます。
ダンピング側のアウターレッグとの締め付けトルクが:1.47N/m〜2.84N/m(147N/cm〜284N/cm、15kgf/cm〜29kgf/cm、13in/lbs〜25.17in/lbs)ですので、これ以上のトルクで締め込んでいれば間違いないです。
リバウンドダイアルは最弱にしておきます。
そして、フォークオイル7.5wtを半分程入れてリバウンドシャフトを数回動かしてエア抜きをします。
この時は当たり前ですけどこのエア抜きはしっかりしておきましょう。フォークオイルはオリジナルは5wtですが、コンプレッション効かせたいために7.5wtに上げています。
エア抜きが終わったらフォークオイル7.5wtを規定量チャンバーに入れます。マニュアルですと3.8inchのオイル面になるように入れろとあります。チャンバー先端から3.8inch(96.5mm)の高さまで入れます。これはcc表示のほうが簡単で正確です。
次にコンプレッション側のピストンリングに薄くグリースを塗ります。
そしてチャンバー内に挿入してトップキャップを22mmのレンチを使って締め付けます。
ここの締め付けトルク:5.65N/m(565N/cm、57.63kgf/cm、50.02in/lbs)です。
コンプレッションシャフトにフッ素コーティングのスプレーを塗布します。
数回ストロークさせながらフッ素コーティングのスプレーを塗布します。
これで、TPC+のダンパーの組立ては終了です。
次に、ダンパーユニットのトップキャップのOリングにグリースを塗ります。
ダンパーユニットをインナーレッグに挿入します
インナーレッグとダンパーユニットの締め込みトルクは6.76N/m〜9.12N/m(676N/cm〜912N/cm、69kgf/cm〜93kgf/cm、59.8in/lbs〜80.7in/lbs)です。
TPC+のダイアル用のスプリングとベアリングを組み込み
ダイアルを2mmのヘキサレンチで締め込んでダンピング側の組立ては終了です。
組み立ててで注意するのは、コンプレッションダンピングのバルブをチャンバーに挿入する時にOリングを傷つけないことです。
また、同じようにリバウンドダンピングをチャンバーに入れる時にチャンバーの下部のオイルシールに傷を付けない事です。その他は調整しなくてはいけないような組み立てがなくて、いたって簡単!