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韓国映画 殺人の追憶 を見る

韓国映画 殺人の追憶

半ネタバレの感想

韓国で実際に起こった未解決殺人事件の映画化です。
音楽は岩代太郎です。
この映画、大変面白い映画です。監督はボン・ジュノ。この映画はポン・ジュノ監督の代表作で、こんな事言うと失礼ではありますが、全ての才能をこの映画で使い果たしたのではないかと思える程の映画です。カンヌ映画祭でグランプリ穫りました。
後にグエムルなるどっかのアニメで見たような怪物映画を作っていたり、音楽は岩代太郎であったりちょっと日本に関心あるようです。事実この殺人の追憶岩代太郎の音楽が映画にかなりの深みを与えています。


本庁からくるポテンシャル刑事

捜査を続ける刑事達・・・

それでも連続して起こる殺人事件

容疑者を取り調べるソン・ガンホキム・サンギョン

とうとう、未成年の女子までも・・・

絶望と怒りと無力さに打ちひしがれる刑事

犯人は誰だ・・・パク・ヘイル


ストーリーは連続女性殺人事件の犯人を追う性格のまるで違う三人の刑事の話しです。犯人は誰だという推理は有りません。見る前から未解決殺人事件というネタバレされていますから。
地方刑事の意地とポテンシャル刑事との対立、犯人逮捕への糸口を掴むまで、誤認逮捕後の焦燥感、テンポ良くストーリーが展開し、古臭い映像ですがどこかスタイリッシュです。こういうの監督の才能だと感じさせられます。
書類はウソをつかないと書類を基にして捜査を進めるポテンシャル刑事が、最後には書類を信じないで暴走してしまう。この暴走を止めるのが、勘で動き人を見る目がない田舎刑事のソン・ガンホ。そんな田舎刑事が容疑者の目を見て犯人でないことを確信して解放する。この対比、非常に人間臭い演出です。
さらに、韓国の当時の軍事政権下の暗い国情が時たま垣間見られたりして緊張感を与えてくれます。
貧しい国民の生活臭を上手く映像化しているのですが、これは日本も一度は辿った道、身に染みる思いを感じる先輩方もおられるのではないでしょうか?

刑事を辞めてサラリーマンになったソン・ガンホが事件現場に戻り、女性の死体があった水路を覗いた時に通りかかった女の子の一声「どこかのおじさんものぞいていたの・・・"昔 自分がここでしたことを思い出して、久しぶりに来てみた"そうおじさんは言っていた」で映画は終わります。映画の始まりの場所と終わりの場所が同じなんですね。

時は流れて時代は変わっても殺人現場は今も変わらす残っており、それに携わった人間も取り残されているのです。
刑事時代のセピア調の映像が現代は明るいフルカラーの映像になっているのも印象的です。あたかも韓国にとってあの時代は悪夢であり、その象徴的なものとして人間の暗部、殺人事件をつなぎ合わせているかのようです。
DVDでは本編に合わせてディレクターズコメントを聞くことも出来ます。これも面白いですよ。