final Audio Piano Forte VIII
Final audio design PIANO FORTE VIII
今後これ以上のイヤホンは買わないと思われます。
イヤホンはせいぜい3万円まで。
DAPで音楽を聴く以上、イヤホンに投資する意味を見出せる金額の上限は3万円です。
何故か、いい音っていうのは聴いているとそれが普通になってしまいます。慣れちゃうんです。
ただ、新しいCDを買って聴いた時にはその音楽に思った以上に感動するには、いいイヤホンを持っているとより簡単に感動を感じることができます。
気分が滅入っていても、音で滅入った気分を忘れさせてくれたりします。
しかし、音楽はやはりイヤホンより、ヘッドフォンよりスピーカーで聴く方がはるかにいいです。
ですから、イヤホンやヘッドフォンには求める上限というか、DAPの雰囲気からしてこの音はよく頑張ってるよねーで満足します。
音に関してはイヤホンはたかがイヤホンで、スピーカーに求めるものとは土俵が違うのです。
で、そんな上限を超えた高価なイヤホンでいつもの音楽を聴くとどうなったか、期待を耳に・・・残念な結果になりました。
BOSEの音が大好きな人がPiano Forte VIIIで音を聴くとなんだこれ?になります。
このAM的な中音がやけに元気のいい音に馴染めません。言い換えればイヤホンでこんなに音が変わるの?っていうことを教えてくれることになります。
エージングすれば音が変わるということをよく聞きますが、エージングで音が変わったら困りませんか?
それはすでにスピーカーの寿命ではないのかと思うのが自然です。
今後、エージングでどんな音に成長していくのか楽しみというくくりを読むと、ハテナの連続です。
イヤホンを買った初日の音と、3年後の音の違いを言葉で述べることができるなんて脳みそがデジタル化しているのではないと思われます。
だから、この高価なイヤホンはどんなに聴いてもこの音です。
普通はイヤホンは試聴するものですが、このイヤホンを試聴できるショップはごくわずかだと思います。
ですからネットのレビューを参考にして買いました。
ネットのレビューは両極端です。
クラッシックを聴くとまるで目の前に管楽器があるようだ、あるいはジャズやロックを聴くと音楽がつまらなくなる。
僕の場合、後者になりました。
もの凄い冒険です。
何度聴いても、えっ、この曲はこんな音だっけ?みたいな感想でしかありません。
ところがです。
女性ボーカルを聴くと高い音階が素晴らしく聴こえます。
もっと鳴らせるんじゃないかと限界のない懐の深さみたいなのを感じます。
恐らく、僕は聴きませんがオペラなんていうものを聴くと凄いのではないか?
ジャスやフュージョンではスカスカですが、全く興味のないクラッシックだと本領発揮なのかな?
という感じで聴き続けていましたが、いつの間にかこのイヤホンばかりで音楽聴くようになりました。
高いお金をかけたんだから、という部分で、じゃあお金を返すから違うイヤホンを買うかとなると、いや、このイヤホンでいいと言ってしまいます。
このイヤホンが壊れたら、次に買うイヤホンは何か?と尋ねられたら、このイヤホンにするといいます。
アコースティックな音楽にピッタリなピュアオーディオな音です。
ただ、人に勧めるかと言うと恨まれる可能性が比較的高いので勧めません。
装着感ですが、インナーイヤー型とは違って耳の穴に向かって入れるというより置くと言った感じです。
このイヤホンを着けてジョギングやサイクリングするという用途で使うものではありません。
真冬は冷たいです。
金属のラッパを耳に突っ込むので耳に合わないと最悪です。
耳の形状は人それぞれですから、イヤーパットなんかでカスタマイズ出来ないので、実際に聴けなくても装着は必ず出来るショップで買うことをお勧めします。
音漏れはシャリシャリといった感じでします。
満員電車ですと、隣の人の耳に確実に入ります。
ノイズキャンセリングもないので、外の音も耳に入ってきます。
細いケーブルはしなやかでタッチノイズは皆無です。
ケーブルは太ければいいというオーディオの定説はありません。もちろんこのイヤホンにリケーブルということはできません。
それでいいんです。
別途一万円ちかくも出してイヤホンのケーブル交換するくらいなら、一万円高いイヤホン買ったほうがいいし、彼女に服買ってあげたほうがいいに決まってます。
スピーカーで聴いている音になるべく近づけたイヤホンなのかも知れませんし、DAPの性能がよく分かるイヤホンです。
でも、低音はどんなにイコライジングかけてもBOSEの様には鳴りませんから、BOSE好きには期待はずれのイヤホンになります。
でも、今となってはBOSEのイヤホンて音楽聴こうとは思えなくなりました。
音にうるさいくせに何もわかってない僕なんて、多分、調教されたのかも知れません。
音が良いねーっていう第一印象は全くないけど、ポテンシャルは秘めているような、どんな音楽でも同じ嗜好な音にしてしまうイヤホンではありません。
それをピュアと言うのであれば、本当にピュアなイヤホンです。
言い換えれば中高音域のダイナミックレンジが広く、低音は篭らない。重低音のような強調されない実に自然な低音を出します。
人にはこのメーカーではなくて他のメーカーのイヤホン勧めて、他のイヤホンが気に入らない人にじゃあ試しに聴いてみる?っていう感じで勧めるイヤホンです。
素材は真鍮です。
その削り出しのユニットの中に16mmのフルレンジのドライバが入っています。
この上位機種はユニットがステンレスになって、おそらくfinal audioの目指したものはステンレス製のPiano forte IXではないかと思われます。
さらに上位機種はクロム銅になりますが、これは完全に贅沢三昧な趣味的なものだと思います。
溶接屋さんにはクロム銅は馴染み深い、そんなに高い金属ではありませんが、加工が難しい。
加工が難しいと言われるクロム銅をこういう小さく、高精度に削り出すのはとてもコストと技術が必要な気がします。
Piano Forteの価格差は音質の差というより素材の加工代金の差だと思われます。
例えばステンレスの方が解像感が上がるように聴こえるというレビューに対して、僕はマジですか?って思ってしまいます。
金属ユニットの振動係数の違いが分かるような音量で音を鳴らすと耳がついていけなくなりますよ・・・ね。