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パークツールのTW-1とTW-2を検証する・・・PARK TOOL TW-1 TW-2は正確なのかという疑問

パークツールのTW-1とTW-2のトルク値をデジタルトルクレンチで検証してみることにした。

世の中、ネジを締めて組み立てた物は沢山あって、この世にネジがなければスカイツリーは建たなかったので、ネジを発明した人はWikipediaによるとアルキタスが発明したとする説と、ペルガのアポロニウスが発明したとする説やギリシャの学者エウスタシウスはアルキメデスだということらしいのですが、ノーベル賞を100個くらいあげてもいいし、あるいは特許でも取得していれば世界一の大金持ちになって、Appleマイクロソフトgoogleなんかを子会社にしていたかも知れません。
いずれにせよ日本人でないことは確かです。
しかし、日本人が発明したもので検索をかけると驚くようなものを発明していますので、自分が日本人であったことを後悔したくなるような場面に遭遇したら是非「日本人が発明したもの」を調べましょう。
で、数年前に自転車組み立て用に買ったパークツールのトルクレンチ

何の疑いもなくサスペンションを三本このトルクレンチを使って組み立てました。
しかし、パークツールのトルクレンチは正確なのかという疑問がないわけではないですが、構造的に誤差が出そうな構造でもないし、かといって精度が必要な締め付けに適したトルクレンチでももちろんないのですが、どの程度の精度を持っているのかというのは知っておいたほうがいいし、もし、使い物にならない程の誤差があるのなら手締めの感覚で締めて行ったほうが楽でいいです。
想像するに一応安いとはいえ商品ですしオモチャのカテゴリーでもないので使い物にならない誤差はないと思うのですが、ひょっとしたら、ひょっとしてオモチャだったりするわけで、同社の使い物にならないスポークテンションツールのように単なる壁の飾りで終わってしまいます。
反対にソコソコ使える精度であるのならば、値段からしていい買い物したと思えるし、人にもこれ安くていいよと勧めることが出来るということです。
予想ですが、多分、ソコソコの精度があるのではないかと思います。
検証してみました。
検証で使うトクルレンチはTOP社のデジタルトルクレンチで、つい先日入手した物です。
締めたボルトのトルクを知るには増す締め法と戻しトルク法、マーク法があるらしいのですが、戻しトルク法で検証。それぞれのピーク値を採用して、戻しトルク法で測ったピーク値を比較しようじゃないかということです。
マーク法は面倒臭い、増す締め法はピーク値が分からないのが理由です。
自転車で締め込むトルク値は一般的に使われているトルク値よりかなり低いので世間的にあーだこーだ言われる程の精度が必要なのかと思うのですが、自転車のパーツの取り扱い説明書見ると必ず締め込みトルク値か書かれています。
人間か乗るもので、間違えれば転んで下手すると死んでしまうおそれもあることから締め込みトルク値を書いてあるのでしょうが、まあ、自転車は殆ど自己責任の世界なのでメーカーは書くことによって色々な面で救われるわけです。

PARK TOOL TW-1を戻しトルクで検証する

PARK TOOL TW-1
0〜7N/m
最小目盛:0.25N/m
検証方法はデジタルトルクレンチ TOP DS-030-10BNで締めこみPARK TOOL TW-1で緩めたときのピーク値とPARK TOOL TW-1で締めこみデジタルトルクレンチ TOP DS-030-10BNで緩めたときのピーク値とを比較した。

デジタルトルクレンチ TOP DS-030-10BNで2N/mで締めこんだボルトをPARK TOOL TW-1で緩めたときのトルク値を3回計った。
DS-030-10BN 2.02N/m 1.99N/m 2.00N/m
TW-1 1.8N/m 1.9N/m 1.9N/m
デジタルトルクレンチ TOP DS-030-10BNで5N/mで締めこんだボルトをPARK TOOL TW-1で緩めたときのトルク値を3回計った。
DS-030-10BN 4.98N/m 4.99N/m 5.00N/m
TW-1 4.5N/m 4.5N/m 4.5N/m
デジタルトルクレンチ TOP DS-030-10BNで6.5N/mで締めこんだボルトをPARK TOOL TW-1で緩めたときのトルク値を5回計った。
DS-030-10BN 6.53N/m 6.51N/m 6.53N/m 6.50N/m 6.50N/m
TW-1 5.75N/m 5.3N/m 5.6N/m 6.0N/m 5.3N/m
プレート式トルクレンチPARK TOOL TW-1で2N/mで締めこんだボルトをデジタルトルクレンチTOP DS-030-10BNで緩めたときのトルク値を3回計った。
TW-1 2N/m 2N/m 2N/m
DS-030-10BN 1.46N/m 1.53N/m 1.62N/m
プレート式トルクレンチ PARK TOOL TW-1で5N/mで締めこんだボルトをデジタルトルクレンチTOP DS-030-10BNで緩めたときのトルク値を3回計った。
TW-1 5N/m 5N/m 5N/m
DS-030-10BN 4.32N/m 4.33N/m 4.36N/m
プレート式トルクレンチ PARK TOOL TW-1で6.5N/mで締めこんだボルトをデジタルトルクレンチTOP DS-030-10BNで緩めたときのトルク値を5回計った。
TW-1 6.5N/m 6.5N/m 6.5N/m 6.5N/m 6.5N/m
DS-030-10BN 5.62N/m 5.70N/m 5.54N/m 5.87N/m 5.82N/m

て、結果なんですがそれぞれ戻しトルク値を比べてみると

TW-1 1.8N/m 1.9N/m 1.9N/m
DS-030-10BN 1.46N/m 1.53N/m 1.62N/m
TW-1 4.5N/m 4.5N/m 4.5N/m
DS-030-10BN 4.32N/m 4.33N/m 4.36N/m
TW-1 5.75N/m 5.3N/m 5.6N/m 6.0N/m 5.3N/m
DS-030-10BN 5.62N/m 5.70N/m 5.54N/m 5.87N/m 5.82N/m

やはり低いトルク値は誤差が激しいですが、TOPのデジタルトルクレンチTOP DS-030-10BNでは精度保証は6N/mからなので低いトルク値を正確に捉えるのは検査専用のトルクレンチが必要ということになります。
例えば合否判定は±1%〜±9%の間なんですが、デジタルトルクレンチを真とするとTW-1の相対誤差は

23% 24% 17%
4% 4% 3%
5% 2% 1% 2% 8%

パークツールのTW-1は大まかなトルクの目安で締めこむには使えるトルクレンチだと思います。

PARK TOOL TW-2を戻しトルクで検証する



PARK TOOL TW-2
0〜70N/m
最小目盛:5N/m
検証方法はデジタルトルクレンチ TOP DS-135-15BNで締めこみPARK TOOL TW-2で緩めたときのピーク値とPARK TOOL TW-2で締めこみデジタルトルクレンチ TOP DS-135-15BNで緩めたときのピーク値とを比較した。

デジタルトルクレンチ TOP DS-135-15BNで10N/mで締めこんだボルトをPARK TOOL TW-2で緩めたときのトルク値を3回計った。
TOP DS-135-15BN 10.0N/m 10.0N/m 9.9N/m
TW-2 7.5N/m 7.5N/m 7.5N/m
デジタルトルクレンチ TOP DS-135-15BNで25N/mで締めこんだボルトをPARK TOOL TW-2で緩めたときのトルク値を3回計った。
TOP DS-135-15BN 25.1N/m 24.9N/m 25.0N/m
TW-2 21N/m 21N/m 21N/m
デジタルトルクレンチ TOP DS-135-15BNで40N/mで締めこんだボルトをPARK TOOL TW-2で緩めたときのトルク値を3回計った。
TOP DS-135-15BN 40.0N/m 40.1N/m 40.2N/m
TW-2 32N/m 31N/m 31N/m
プレート式トルクレンチPARK TOOL TW-2で10N/mで締めこんだボルトをデジタルトルクレンチTOP DS-135-15BNで緩めたときのトルク値を3回計った。
TW-2 10N/m 10N/m10N/m
TOP DS-135-15BN 8.1N/m 8.3N/m 8.6N/m
プレート式トルクレンチ PARK TOOL TW-2で25N/mで締めこんだボルトをデジタルトルクレンチTOP DS-135-15BNで緩めたときのトルク値を3回計った。
TW-2 25N/m 25N/m 25N/m
TOP DS-135-15BN 20.8N/m 20.7N/m 20.8N/m
プレート式トルクレンチ PARK TOOL TW-2で40N/mで締めこんだボルトをデジタルトルクレンチTOP DS-135-15BNで緩めたときのトルク値を3回計った。
TW-2 40N/m 40N/m 40N/m
TOP DS-135-15BN 32.4N/m 33.9N/m 32.9N/m

それぞれの戻しトルク値を比べてみると

TW-2 7.5N/m 7.5N/m 7.5N/m
TOP DS-135-15BN 8.1N/m 8.3N/m 8.6N/m
TW-2 21N/m 21N/m 21N/m
TOP DS-135-15BN 20.8N/m 20.7N/m 20.8N/m
TW-2 32N/m 31N/m 31N/m
TOP DS-135-15BN 32.4N/m 33.9N/m 32.9N/m

デジタルトルクレンチの値が真だとするとTW-2の相対誤差は

7% 9% 12%
0.9% 1.4% 0.9%
1.2% 8.5% 5.7%

です。
トルクレンチはスケールの中間あたりの値が正確です。
TW-1もTW-2も目盛りの刻みがちょっと大きいので読み取りはまさに目分量なんですが、おおまかな締め込みトルクとしては大きな間違いのない精度は保っていると思います。
自転車のメンテナンスでは使えるのではないかと思われます。