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韓国映画 悲夢 「ヒム」 を見る

キム・ギドク監督の悲夢「ヒム」という映画

半ネタバレの感想

2008年作品
監督:キム・ギドク
出演:オダギリジョーイ・ナヨン

オダギリジョー韓国映画に出ている。しかも鬼才と呼ばれるキム・ギドク監督の映画に。これは興味が沸かないわけがありません。
からして夢とついているので、理由が付かないとに関して夢だからと言いきって見てればそれで終わりな映画。
キム・ギドク監督の頭の中に浮かんだ、いわばブログ的な、言い換えれば空想的な映画です。

どうしてもキム・ギドク監督作品と言う心構えで期待感を抱きつつ見てしまうのですが、そういうひいき目で見ても、そこには我慢強く見ないと最後まで見れない映画であったと言う感想しか残りません。
映画が監督の手から離れて興行されるとこの映画で監督は何を言いたいのか、なんてことは関係ないですね。お金を出して映画を見る観客は見て楽しいかつまらないかしかありませんし。
で、つまらない映画です。この映画、単に思いつき?と言えば怒られるでしょうね。
しかし、だからと言ってキム・ギドク監督が落ちたとは思いません。キム・ギドク監督の言いたいことがつまらないのではなくて、つまらない表現であったと。
いえいえ、凡人の僕にはついていけなかったと。
どこが・・・?
一つは、何故韓国の男優を使わなかったのか?
警察署でのオダギリジョーの日本語での一言、そこから続く日本語と韓国語との掛け合い。そこで引いてしまいました。オダギリジョーの台詞が周りと調和していないのです。

で、いつものキム・ギドク作品、キム・ギドク的幸せな終わり方が凡人に理解できる時と出来ない時があるのです。

ストーリーは・・・

夢を見たことが現実に起こってしまう。
しかし、夢を現実に起こしてしまった当事者は夢を見た本人ではなくて、顔も知らない女性でした。
実際は夢を見た男性の夢に夢遊病者の女性がリンクして男性が見た夢を彼女が現実に引き起こしてしまう。というか、女性の身にふりかかってしまう。
その現れ方は、別れても忘れられない彼女との逢瀬の夢を彼が見ることは、彼女にとっては嫌いで別れた男性との逢瀬となってしまう。
彼の夢は彼女の不幸、当然彼女は彼の夢を責めます。


彼の夢は彼女を破滅へと、そして彼自身の破滅へと追い込んでいきます。


この二人は結ばれることでしかこの不条理が解消されないのか、しかし、彼の夢が二人を引き裂いていき、そんな都合がいいような結末にはなりません。他に方法があるとすれば・・・。
この男女はどうなっていくのか・・・。


話としては大変面白いですよね。
キム・ギドク監督はこのアイデアは自身の夢でみて浮かんだとか。それを自ら脚本化し監督しています。

では、このアイデアを違う作家が脚本化していれば・・・。凡人でも少しは心動かされる映画になっていたのではないかと思います。