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WBC世界ミドル級ダイヤモンドベルト争奪戦 セルゲイ・ジンジルク VS セルヒオ・マルティネス

WBC世界ミドル級ダイヤモンドベルト争奪戦 セルゲイ・ジンジルク VS セルヒオ・マルティネス
    • セルゲイ・ジンジルク
      • 1976年生:35歳 ウクライナ出身
      • 身長:183cm
      • リーチ:173cm
      • 戦績:38戦37勝23KO1敗
      • スタイル:サウスポー

セルゲイ・ジンジルクは好きなボクサーです。
戦い方はボクシングの教科書そのものです。連続写真が全てボクシングの見本になります。
顎を引き、しっかりしたアームブロックと右ジャブを基本に戦います。しかもクリーンです。
決して強そうではありませんが、2005年にダニエル・サントスを破ってスーパーウェルター級チャンピオンになり名前を馳せました。
質実剛健な戦い方で派手ではありませんが、これまで無敗でダウンもありません。
どんな相手も自分のペースを守り天下の右ジャブを武器に戦い、ボクシングの基本を極めた完成されたチャンピオンでした。
全勝王者にしてはKO率は高くありませんが、テクニックの高さは誰もが認めています。
この選手の試合は見ていて面白いです。
で、何が面白いのかというと、とにかくボクシングの教科書をそのまま試合で展開し、どんな相手でも固いアームブロックと攻撃的な右ジャブで機械のように追いつめていくところです。

はちゃめちゃなんですが言い方を変えるとスピードのあるトリッキーなカウンターパンチャーです。
これまでの対戦相手はそうそうたる猛者ばかりです。
カーミットシントロン:ドロー(試合は一方的勝利の感がある)
ケリー・パブリク:3-0の判定勝ち
ポール・ウィリアムスには2度対戦し、2度目は鮮やかなKO勝しています。
この選手、プロデビューが1997年で、注目され始めたのが2009年頃ですから遅咲きのスーパースターと言えます。
出身はスーパーウェルター級ですが、もうちょっと早く咲いていれば、バーナード・ホプキンスやジャーメイン・テイラーなどと対戦できたのではないかと思います。
ノーガードでフリッカーなジャブを放ち、ジャブが上手いセルゲイ・ジンジルクを逆にジャブで翻弄します。
鉄壁とも言えるジンジルクのガードの隙間を狙ってパンチを当てていきます。
ジンジルクが右ジャブを打つとカウンターを合わせてき、パンチを出さないとフリッカージャブをパチンと当ててきます。
ジャブも単発ではなく左に右に鋭いフックを打ってくるので、ジンジルクとすれば成す術もない状態です。
体格のハンデが著しく勝っているポール・ウィリアムスをワンパンチで沈めたマルチネス、真逆のタイプともいえるセルゲイ・ジンジルクとの対戦はボクシングファンは興味深々であったのではないかと思います。
破竹の勢いがあるマルチネスを相手にして優等生ボクサーであるジンジルクがどういう勝ち方をするのか。
ボクシングの教科書は天賦の才能を遅くにして咲かせた天才肌ボクサーに通用するのか、ボクシングファンよりもボクサーが一番気になるところではないかと思います。
この勝ちっぷりからして今後はビッグファイトが沢山組まれるのでしょうが、ミドル級はスーパーミドル級に強者がスイッチされているので、折角の逸材も相手がいないと意味がありません。
ミドル級にとどまるのであれば、WBAスーパー王者であるフェリックス・シュトルムかダニエル・ジェイコブスを破ったディミトリー・ピログとの統一戦が見たいですね。
階級を下げると、ミゲール・コットが、スーパミドルに上げると・・アンドレ・ウォードにカール・フローチなどなど・・階級上げるのはちょっときついと思われます。
でも、さすがのジンジルクがこういう負け方をするのです。
もはやミドル級では敵なしのセルヒオ・マルチネスです。

WBC世界ミドル級ダイヤモンドベルト争奪戦 セルゲイ・ジンジルク VS セルヒオ・マルティネス