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DeAGOSTINI The COMBAT TANKS デアゴスティーニのタイガー戦車はどうなのか?

DeAGOSUTINI THE COMBAT TANKS 創刊号



このシリーズ、ついつい創刊号って買ってしまいます。
今回は戦車模型で、ドイツ軍のタイガー戦車です。

このデアゴスティーニという出版社、部品集めて組み立てていくという雑誌を沢山出版してきたんですが、なんか凄いんですが、続きません。
最終号まで買って組み立てた人って創刊号買った人の何%なんでしょうか?
でも、今回のは一号完結なので途中でやめても損はしないです。
コマーシャル見ると金属っていう言葉が聞こえてくるのですが、映像で見るとプラスチックっぽいので、ディテールと合わせて観察しましょう。

まず、戦車といえば、キャタピラです。

タミヤ模型はガンメタルな色した柔らかい樹脂製の、マイナスドライバーの先端温めてくっつけるキャタピラでリアリティーそこそこでしたし、色が乗らないのでウエザリング塗装大変という欠点がありましたし、動輪から従輪の部分はキャタピラはタレぎみなんですが、一直線で少し突っ張った感じになるのが残念だったんですか、それはモーターで動かすためのものでリアリティーとキャタピラが外れないギリギリの部分でそういう素材になったそうです。
欲張るとどっちもどっちということになるのですが、模型から学ぶことって沢山あるような気がしますね。
で、キャタピラです。
スケールが1/72という手頃な航空機サイズなので金型技術の粋を集めなくてはならないのではないかと思います。

キャタピラが動輪から離れている・・・模型とはいえアッテハイケナイ

出来栄えは、あれれなもんです?なぜにキャタピラにバリが残っているのだろう???
スケール的に困難極まりないのはよくわかりますが、フニャフニャです。
スカートはいたタイプの戦車なら気にならないというレベルのものではありません。
これは、ダメです。

で、次にリアリティーを損ねる最大なものにパーティングラインがあります。

すでに組み立てているので、これからパーティングラインを消すのって大変っていうか、この程度の模型でそんなことしたくないし、無理です。
しかし、パーティングラインが絶対あってはならないものが、砲身です。
曲がってるなんて言語道断です。
1/35スケールの戦車の砲身はちゃんと真鍮パーツで売ってたりしますから、精度求めるならお金出して買いましょうという買って当たり前パーツの一つです。
で、パーティングライン。
これも、あれれ?です。パーティングラインというより、全てのパーツにバリです。

砲身のパーティングライン


ところで、こういう模型の金型ってこの雑誌の為に作り起こしたものではないと思うのですが、どこの金型なんでしょうね?
それとも、全く新規な金型なんですかね?

で、次にリアリティーを損ねるものに開口部分のフチ(縁)がシャープかどうかというのがあります。

戦車が開口部だらけだと困るのですが、エンジンの放熱口だとか、機銃のマズルとか、こだわりのモデラーはピンバイスで穴を開け直しますし、エンジンの開口部には裏から金網を普通に貼ります。
恐れいったですね。
まさか、銃口の径を実物と同じ1/35や1/72で開けるということしてないと思います。
て、これはどうなのか?
エンジン放熱口はモールドのみ

マズルは開口です。

機銃はありません・・・おかしい、写真ではちゃんとあるのに・・・。

このモデルには省略されていますが、雑誌の写真では機銃があります。
写真で見る限り銃口は開いていません。1/72スケールですから無理ってもんです。ただ、モデラー魂は開けないなら黒で開いたような塗装します。
1/35スケールの兵隊さんの瞳を描くくらいですから、銃口を描くなんてわけないです。

次にリアリティーにこだわるのが手すりです。

1/72だと再現不可能です。
モデラーさんは真鍮棒とかで当たり前のように手すりをつけたりします。ただ、たいていのモデルは手すりを再現することはありません。
あとはユーザーでどうぞっていうスタンスですが、こういうスタンスはモデラー魂揺さぶりますよね。僕はモデラーではありませんが。
このモデルには手すりと言うものはありません。

で、装備品が別パーツになっているか、です。

別パーツとは、スコップやハンマーや、斧、ワイヤーロープです。1/72のスケールで別パーツは困難ですが、そういう時は塗装で別パーツ感だします。
スコップの金属感も塗装で表現するのは朝飯前で、中には木製の取ってに油が付いた汚れや、取ってが欠けたあたりを表現するモデラーもいますが、そういうのを超絶技巧と言います。
特に腕の見せどころはワイヤーロープです。
流石に電線から自作ワイヤーロープ作る人いないだろうと思っていたら、やっぱりいるんですよ。もう神の領域です。
こういうモデラーとかの世界には神と呼ばれる人がちゃんといます。
神です、神。
この模型にかんしてはどこにも神は宿っていません。

別パーツは評価できますが、でも、バリはきっちり残っていて、さらに湯口も残っていますのでマイナス評価です。

次にボルトのモールド感はどうなのか、ということです。

これも流石に1/72スケールでは再現無理だろうと思うのですが、世の中、ボルトって別パーツで売っているんですね。
スケール的には1/35が限界ですが、接着剤の分量でワッシャーを表現することも可能です。
驚き桃の木さんしょの木です。
で、このモデルに関しては車輪に湯口が残っているのが驚き桃の木さんしょの木です。

で、外せないものの一つに予備のキャタピラがあります。

戦車には装甲も兼ねた予備のキャタピラをボディーに装着していて、キャタピラを引っ掛けるL型金具を別パーツで再現してたりしますが、この予備のキャタピラ、もっと沢山欲しいと戦車モデラーは考えます。
で、そういう要望に応えてキャタピラセットなるものが売られています。
おかげで、樹脂製っぽいキャタピラが、リアリティー満点のキャタピラに変身です。
ジオラマで切れたキャタピラを再現することも簡単になりました。
このモデルには予備キャタピラなどという高級な別パーツはありません。
通常はこの部分に縦に並んでいたりするのですが。

そして、リアリティーさを決定する真打というと、布製の装備品です。

ほとんどが布とは思えないようなモールド感のパーツですので、塗装で布製の質感を表現させています。
手間暇惜しまないモデラーはパテから作り起こしたりします。
でも、その辺の布を使う事はありません。布のスケール感が違うからです。
しかし、このモデルには布製の装備品はありません。

その他の基本的なこと

パーツごとの組み合わせ



隙間だらけ、斜めだし、接着剤はみ出てるし、接着剤が糸ひいてるし、もういいみたいな感じです。
モールド感とか・・・


甘いし、アンテナなんてこれ、アンテナだよと説明されてもわからない形している。
そんなこんなのタイガー戦車ですが次回2号は1990円します。
十中八九買わないです。



総評です。

      • バリがあるか・・・沢山ある
      • 湯口はあるか・・・沢山ある
      • パーティングラインは消しているか・・・消していない
      • モールドはどうか・・・甘い
      • 部品の組み付けはどうか・・・隙間があり、斜めで接着剤がはみ出ている
      • 塗装はどうか・・・はみ出ている、塗り残しが沢山ある
      • 金型はシャープか・・・全然シャープでないというか、金型がゆがんでいるのではないかと思われる
      • 金属パーツはあるか・・・上部ボディーが金属っぽい
      • 可動部分はあるか・・・砲塔が回転し、砲身が上下に若干だけ動く
      • 頑張っているのか?・・・見る限り、省略されたパーツはない。ただ、食玩よりひどい仕上げだ。

で、多分数ヵ月後にはどこに置いたか忘れるであろうな。